非常時の食事をおいしく豊かに! アウトドアごはんで満足度を上げよう


災害時の食事は味気なくておいしくないものだと思ってはいませんか? 実は、工夫次第で食事のクオリティを上げたりバリエーションを増やすことは可能です。災害時の食事をもっとおいしく豊かにするためのポイントについて、書籍『アウトドアをもっと楽しむ おしゃれソトごはん』(松尾真里子著、オーバーラップ)を参考にしつつ解説をしていきます。

非常時の食事を豊かにする調理アイテムの選び方

食事は日常でも非日常でも確保しなくてはならないものですが、栄養や味も満足いく食事を準備できたら理想的ですよね。非常時には、ガスや電気などのインフラの供給が停止する可能性も十分あります。そんなときは非常食でしのぐことも大切ですが、非常時用の調理道具をあらかじめ準備しておくと安心です。

たとえば、カセットコンロやカセットボンベ、持ち歩けるサイズ・重さの鍋があると、調理の幅が広がります。ガスや電気が止まっても、温かい料理を食べられるでしょう。

さらにキッチンばさみやピーラー、アルミホイル、ポリ袋などを準備しておくと非常時の調理が捗ります。缶切りも忘れてはいけません。非常食としてたくさん缶詰を準備したのに、缶切りを忘れてしまって開けられないという事態は避けましょう。心配な人は、缶切りがなくても開けられるタイプの缶詰を選ぶのがおすすめです。

水の供給が止まっていると食器や調理器具、手指を洗うことも難しくなりますので、ポリ手袋や消毒スプレー、使い捨ての紙皿やコップも役立つアイテムです。お皿を使うときはラップでくるむことで、洗い物を減らすことができますよ。

非常時にも食べたい!おしゃれでおいしいアウトドアごはん

非常時のために備蓄食料や調理器具を準備するのはもちろんですが、その使い方を予習しておくと、いざというときでも落ち着いて行動できます。非常時の調理の予習にぴったりなのが、アウトドアでのごはん作り。

近年はキャンプブームの影響もあり、たくさんの人がアウトドアごはんを楽しんでいますよね。書籍『アウトドアをもっと楽しむ おしゃれソトごはん』でも、工夫を凝らしたおいしいアウトドアごはんが紹介されています。

例えば、市販の塩ちゃんこだしを使った「鶏団子と水菜の塩ちゃんこ」。変わり種のだしを常備しておくと、食事のバリエーションがぐっと増します。コーンの缶詰と切れているバターを使った「バターコーン」も、シンプルな一品ながら満足度の高いアウトドアごはんです。

アウトドアではキッチンのように設備が整ってはいませんよね。日常とは異なる環境でおいしい料理を作れるようになれば、非常時の食事の確保にも自信が湧いてくるはず。そのためにも調理グッズや調味料などは、実際に使って選ぶことが大切です。

「まずは手際のよさを重視して、何度か経験しながら、少しずつお気に入りを見つけましょう。自然の中での手際や段取りは、何度か経験しないとわからないところがあります。失敗もありますが、周りの人の意見も聞きながら、その失敗やアクシデント自体を楽しむとよいと思います」

(『アウトドアをもっと楽しむ おしゃれソトごはん』より引用)

非常時に気をつけたい栄養不足の悪影響

非常時の食事で気をつけたいのが栄養バランスです。非常食というと、パンや麺など保存が効く炭水化物を準備する人は多いはず。たしかに炭水化物は生きるためのエネルギー源であり、空腹も満たされやすい食品です。

ただし、人間が健康的に生きていくためにはタンパク質や食物繊維、ミネラルなどの栄養素も必要。これらの栄養素が不足すると、心身にさまざまな不調を招きかねません。

タンパク質不足は、筋力低下や爪や髪などの成長に影響を及ぼします。大人はもちろんですが、成長期の子どもに積極的に摂取させたい栄養素です。食物繊維が不足すると、便秘や生活習慣病につながるリスクがあると考えられています。ビタミンやミネラルは、身体の機能を正常に保つことをサポートする栄養素。十分に摂取できていないと、メンタルの安定にも影響を与えます。

近年発売されている非常食は、栄養バランスにも配慮しているものが増えてきました。もしものときの備えを買い揃えるときは、ぜひ栄養面のことも考えてみましょう。また、調理器具を揃えたりアウトドアごはん作りを予習するなどして、非常時の食を豊かにする工夫にチャレンジするのもおすすめですよ。

〈書籍情報〉
アウトドアをもっと楽しむ おしゃれソトごはん』(松尾真里子著、オーバーラップ)

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にちにち編集部
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