近年は地震や台風などの自然災害が増えてきていることから、1次防災や2次防災の備えをしている人は多いかと思います。ですが、0次防災への備えは、身近だからこそつい後回しにしてしまいがちではないでしょうか。0次防災への意識は緊急事態での安全と衛生を確保するために必要な、言わば生きるための基礎。また災害時だけでなく、電車やエレベーターのトラブルで長時間閉じ込められてしまうような場合にもとても心強いでしょう。
目次
1次防災の前に大切な0次防災とは
「0次防災」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」によると、以下のように定義されています。
【0次防災】
外出中に災害が発生した際に、外出先から自宅や避難所まで安全に移動するための助けになる備え。または移動できない場合に、数時間から一晩を過ごすことができることも想定した準備のこと。0次防災用のグッズを普段使用しているバックに入れておき、常に持ち歩くことが推奨されている。
【1次防災】
最低限の非常用グッズが入った防災リュックを自宅や勤務先などに準備しておき、安全な場所に避難する際にすぐに持って逃げることができるよう備えること。
【2次防災】
災害でライフラインが途絶えても、3日間は生活することができるだけの水や食料などの備え。自宅や勤務先にストックしておく。
防災の備えは実際に身を守るだけでなく、心の余裕にも大きく影響します。いざと言うときに慌てず、自分と大切な人を守るための備えを予習しておきましょう。
「0次防災ポーチ」を準備しよう! 必要なものチェックリスト
0次防災の備えを常に持ち歩くためには、いつも使用しているバックに丸ごと入れることができる「0次防災ポーチ」を作るのがおすすめです。ポーチの中身に最低限必要なグッズをチェックしていきましょう。
・飲料水
・携帯食(チョコレート、飴、栄養補助食品など)
・ホイッスル
・ミニライト
・携帯ラジオ(予備電池)
・携帯電話(充電器、バッテリー)
・連絡先や避難場所を書いたメモ帳
・身分証明書
・筆記用具
・現金(10円硬貨含む)
・救急用品セット
・持病薬、常備薬
・マスク
・簡易トイレ
・ティッシュペーパー、トイレットペーパー
・使い捨てカイロ
・大判ハンカチ、手ぬぐい
・安全ピン
・ポリ袋(大小合わせて10枚程度)
・レインコート
・ふろしき
女性特有の備え
・生理用品
・防犯ブザー
(参考:「備えを進める 減災グッズ チェックリスト」阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター)
いかがでしょうか。こうしてリストアップすると新たに購入しなければならないものはほんの数点で、ほとんどのものが、どこの家庭にもあるような日用品だということがわかりますね。足りないものも、100円ショップやドラッグストアですぐに買うことができるものばかりです。
日用品だからこそ「つい使用してしまって、いざと言うときに足りなくなってしまった」などということにならないように、「毎日使用する分」と「防災ポーチに入れておいて普段は使用しない分」を分けることが0次防災の備えの第一歩と言えるでしょう。
子どもとの外出時でも困らないための備え
小さな子どもがいる家庭では、ただでさえ外出時の荷物が多くなりがちですよね。だからこそ、普段から“万が一”を考える習慣が身についているのではないでしょうか。また子どもは非常時でも状況がよく分からないため、「お腹すいた」や「退屈」などと騒ぎ出してしまうことも考えられます。そんなときのために、子どもの気を紛らわせることができるグッズも用意しておくと安心です。
荷物が重くなってしまい親にとっては大変ですが、普段の持ち物にほんの少しプラスすることで、子どもを守ることができるのだと前向きに考えて準備しておきたいですね。子どものグッズ専用の0次防災ポーチを作れば、ごちゃごちゃにならずにまとめることができますよ。
赤ちゃん、幼児のための“ちょい足し”防災
・液体ミルク
・粉ミルクスティック
・ジュースなどのパック飲料
・レトルト離乳食
・おむつ
・歯固めクッキーなど時間をかけて食べることができるおやつ
・シールブックや塗り絵セット
小学生以上なら1人にひとつ防災ポーチを
子どもが小学生以上になると、習い事や友達の家へ遊びに行ったりと行動範囲が一気に広がります。そのため子ども用の防災ポーチを本人に持たせるようにしましょう。ランドセルや通学鞄にずっと入れっぱなしにしておけるように、軽量でかさばらないものだけを厳選しリストアップしました。事前に使い方を教えて一緒にシミュレーションしておくことも大切です。
子ども用0次防災ポーチの中身
・小型ハンディライト
・小銭入れ(10円硬貨含む)
・家族の連絡先、集合場所がわかるメモ
・消臭袋(簡易トイレ、嘔吐時に使用可能)
・風呂敷など大判の布(保温や包帯代わりに)
・飴
0次防災に無印良品の携帯セットが人気
忙しくて防災グッズをひとつひとつ揃える時間がないという人には、最低限の衛生用品がパックされている防災セットがおすすめ。
無印良品の「いつものもしも携帯セット」はマスク、絆創膏、除菌シート、ハンカチ、メモの5点が無印良品らしいシンプルな付属ケースに収納できて、バックの中でも邪魔にならずに持つことができると人気です。また携帯トイレやペーパー歯磨きなども含まれた手厚いセットもあります。【参考商品】SONAE+αソナエタ
これらの基本セットをベースにして、その他に自分が必要だと思うものを追加していけばオリジナルの0次防災ポーチを簡単に作ることができますよ。
携帯食はローリングストックをしよう
自宅に備えておく非常食ならば賞味期限が数年単位の缶詰などもありますが、携帯食として防災ポーチに入れておくことは難しいですよね。そのため飴やクッキー、チョコレートなどが適していますが、賞味期限は飴なら約1年、クッキーなら長くても半年程度が一般的です。また暑い時期だとチョコレートは溶けてしまう恐れがあります。
ポーチに入れっぱなしにしていて、いざと言うときに賞味期限切れや品質の劣化が心配で食べることができない…という事態にならないように、携帯食は「ローリングストック」がおすすめ。ローリングストックとは「非常食を3ヶ月程度保管したら普段の食事やおやつとして食べて、新しく購入した分を次の非常食として保管する」というサイクルを続けることです。ポーチに入れて持ち歩く程度の少量のお菓子であれば、「毎月末日にポーチに入っている分を食べ切り、翌月分として違う種類のお菓子を選んで入れておく」などと決めれば、楽しみながらローリングストックを習慣にすることができるでしょう。
防災への心構えを家族で話し合おう
0次防災は災害が発生した直後の備えですが、災害が起きる前に備えるべき大切なことがあります。それは「災害が起きたときにどうするのか」を家族と話し合っておくことです。
具体的には
・避難が必要になった場合の集合場所
・近所の学校、公園など最寄りの避難所の場所や道順
・家族それぞれの会社、または学校の電話番号
・家族全員の携帯電話の番号
・消化器や防災グッズの使い方
・怪我の応急手当のやり方
以上を確認しておくと良いでしょう。
災害時は気が動転してしまったり、またはライフラインが使用できなくなるなど心にも身体にも備えが必要です。日常生活を送っているとつい忘れてしまいがちですが、余裕があるときにこそ0次防災の準備も万全にしておきたいですね。
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- 「にちにち」には、「日常より非日常、非日常より日常」という想いが込められており、日常も非日常も、暮らしが豊かになるようなアイデアを提案させてください。
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