停電時でも十分なスマートフォンの充電を……。
「安否を知りたいし、伝えたい」、東日本大震災を経て気づいた優先順位


今年の3月11日は金曜日。奇しくも11年前のその日も同じ曜日でした。復興庁の発信する「東日本大震災からの復興に向けた道のりと見通し」では、少しずつですが前に進んでいることが確認できますが、一方で、“復興五輪”という名目で日本開催となった祭典は、いつしか“復興”が除外されたかたちで進行され、閉幕となりました。私たちの日常には、思うようにいかないこともありますが、地震、台風、大雨と災害の多い国であるからこそ、常に非日常に向けてアンテナを伸ばしておきたいところ。

山口県萩市出身の守永江里さんもそんな一人です。守永さんは、鎌倉市で小料理屋「酒糸」を構えるなどして、地元・萩の料理を提供してきました。華美な装飾はせずに、滋味深さを追求した料理は、食べた人の心をゆっくりと温めると人気。今は、子育てに時間を注ぐ毎日を過ごしています。

 

震災体験がないからこその難しさ

そんな守永さんは2011年当時、地元で震災の一報を受けました。震源地から遠い山口県ではほとんど揺れが無かったため、清掃中の車で流れるラジオの言葉に耳を疑ったと言います。

当時は東北地域で大きな停電が発生。最大停電戸数は約466万戸で、青森県、岩手県、秋田県で全域、宮城県、山形県でほぼ全域、福島県の一部でも発生しました。約80%の停電解消までにかかった日数は3日。94%を解消するまでには8日かかったと経済産業省では報告されています。

また、都心部では計画停電を実施。直接、地震や津波の被害がなかった地域も、輪番で停電に協力するかたちに。市役所や病院もこれらに参加するため、ライフライン機能の停止など、さまざまな準備が必要となりました。広い地域において影響が出た3.11の東日本大震災。なんの心配もない程に準備が整っていた人は、数少なかったかもしれません。

山口県では大きな影響がなかったものの、当時、テレビで流れるシーンに大きなインパクトを受けた守永さん。東北や首都圏であったことは自分にも起きることと自覚し、何ができるかと考えたそうです。

「何よりも大切な家族や友人の安否が心配ですし、また自身の安否についても発信しないといけません」

そんな思いから、当時は乾電池式のスマートフォン充電器を準備。人と人との繋がりを再確認したタイミングだからこそ、最も優先すべきことが明確になったのです。

「震災から11年経過しました。ただ、実際に災害に遭遇したわけでも、停電を経験したわけではありません。常に最悪な状況を想定してはいるのですが、想像が現実に追いつかないことも多いです。体験のなさが故に難しさを感じています。いまは結婚して子供もいるので、より一層、災害に対しての意識が高まっています。例えば、この冬に暖房器具を新調したのですが、ポータブル型のストーブを選択しました。屋内外問わず持ち運びができますからね」

一層、災害に対する意識が高まったという守永さん。購入した乾電池式のスマートフォン充電器は利用期間が短いですし、モバイルバッテリーであってもフル充電から3ヶ月も経過すると充電が無くなってしまう。常に充電を確保しておくために、最近、活用しているのが、家庭用コンセントから充電して繰り返し使えるポータブル電源LACITAの「エナーボックス」とのこと。

災害時でも何を“提供”できる側へ

ポータブル電源LACITAの「エナーボックス」はバッテリー容量が一般的なものの約20倍近くあるのが特徴(444Wh・120,000mAh)。スマートフォン(6.5インチ)だと30回もフル充電することができます。頼もしい容量だけでなく、ティッシュペーパーの箱2個分半くらいのサイズ感なので、収納にも困りません。家庭用コンセントの電源と同じAC100Vが3口も使え、定格出力400Wあるので、スマートフォンだけでなく、電気毛布や扇風機といった電化製品にも使えるので有事の際に安心。※

「なによりもスマートフォンの充電器購入を優先したのが11年前ですが、今は家族がいますので、個人の安心だけでは足りません。連絡がとれるツールが大切なのは変わりませんので、スマートフォンはいつも満充電であることを意識しています。寝ている間に災害が起こることもありますし。その上で、満充電のポータブル電源があると安心ですね。家族分の生活で使う電力を補ってくれます」

災害時にスマートフォンをどのように使うべきか、そのイメージは日々行っていると言います。まずは、省エネモードに切り替え。停電に備えてのことです。停電情報や復旧情報はどこで確認すべきか、そのブックマークも怠りません。実際には、スマートフォンが手元にあることから懐中電灯として使用することもあるでしょう。やはり災害時において、スマートフォンの価値は無視できないものがありますし、停電時に安心した環境で、家族で過ごすためにはポータブル電源が不可欠。

「私は料理を作ることを生業としてきました。だからこそ、有事の際には料理で近くの人を安心させたり、勇気づけることができると考えています。ポータブル電源を活用することで調理も可能。非日常でも、何かを“提供”できる側にいられることは嬉しいことです。どんなに難しい状況であっても、少しでも美味しい料理と温かい空気を届けたいですね」

※電化製品の使用時間や使用回数はあくまでも目安です。実際に使用する電化製品の消費電力、使用環境によって変化しますので、それらを保証するものでは一切ございません。

この記事を書いた人

にちにち編集部
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「にちにち」には、「日常より非日常、非日常より日常」という想いが込められており、日常も非日常も、暮らしが豊かになるようなアイデアを提案させてください。