料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は「あちゃまの水餃子」をご紹介。
非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。
[名もなき料理とは]
あちゃまの水餃子
鎌倉・長谷にある足つぼ屋“ NADIA(ナディア)”さんで施術を受けているところ、数年前もこのようにしているときに、「よく水餃子を作ります」と、ナディアさんが言われていたことを思い出しました。突然ですが、あの水餃子ってどんな作り方をするんですか?と聞いてみました。
ご自宅でよく作られるというその水餃子は、ナディアさんが幼少の頃からおばあさんが作ってくれるもの。食が細く、食べられないものも多かったそうですが、おばあちゃんが作ってくれる水餃子はたくさん食べられ、それを見ていたお母さんがびっくりしていたのを覚えているといいます。
「肉肉しくて、つるんっとしてて、ワンタンっぽい感じなんだけど、美味しくてよく食べてたなぁ。おばあちゃま、と言うことができずに、あちゃまと呼ぶようになったみたいで、物心がついた時にはもうあちゃまと呼んでいたよ」
“あちゃまの水餃子”。ナディアさんはこう呼んで親しんできました。旦那さんのお仕事で、中国に暮らしたことのあるおばあさん。当時の家で、中国人のお手伝いさんが水餃子を作ってくれ、それが美味しくて作り方を聞いたそうです。それが、“あちゃまの水餃子”の元となりました。
「家でも食べたいからおばあちゃんに作り方を教わっておいたの。その時に、味噌を入れていると聞いてびっくり。隠し味に入れると美味しいんだね」
おばあちゃんが作ってくれた料理で好きなもの。私もいろいろ聞いておきたいと思いました。もしかしたら美味しくするための隠し味や、まだ知らないおばあちゃんのストーリーを新たに聞くことができるかもしれません。
あちゃまの水餃子のレシピ
にんにくの入らない、シンプルな餃子をお醤油につけていただきます。キャベツとキクラゲも一緒に茹で、鍋のようにして食べるのがナディアさんのスタイルです。甘いキャベツとキクラゲの食感を間に挟むと、餃子が何個でも食べられそうです。
【 材料 】餃子25個分
・豚ひき肉 200g
・にら 2/3束
・生姜 10g
・餃子の皮 25枚
・塩 小さじ1/2
・胡椒 適量
・味噌 大さじ2/3
・ごま油 小さじ1/2
・片栗粉 小さじ1
・キャベツ 適量
・キクラゲ (乾燥) 適量
・お好みの醤油
【 作り方 】
(1) にらは5mmくらいの小口切り、生姜はみじん切りにする。
(2) キャベツは食べやすい大きさにちぎって洗っておく。キクラゲはぬるま湯で戻し、洗っておく。
(3) ボウルにひき肉、①、塩、胡椒、味噌、ごま油、片栗粉を入れよく混ぜる。
(4) 餃子の皮に③を包む。
(5) 鍋に湯を沸かし、②と④を入れて煮る。火が通ったら、醤油をつけていただく。
あちゃまの水餃子を作り終えて
私が足つぼに通い始めたのは7年前。足つぼマッサージはむくみがすっと取れて、足取りが明らかに軽くなるので癖になりますね。マッサージの後、長谷のまちや浜辺を散策するのが私の休日の楽しみです。
次回は『渡辺家の豚肉のバター焼き』をご紹介します
この記事を書いた人
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鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。
苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。
趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。
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