ふみちゃんの中華スープ
【料理人・守永江里の名もなき料理】


料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は「ふみちゃんの中華スープ」をご紹介。

非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。

[名もなき料理とは]

 

新婚さんのしょうくんとふみちゃんというお友達がいます。お二人の出会いはシェアハウスです。

「まだ付き合う前の時も、仕事から帰るタイミングがだいたい同じだったから、夕飯のおすそ分けはよくしてたんだけど、私がしょうくんを意識し始めてから?笑 は、おすそ分けする料理を和食にしたり洋食にしたり、飽きないように気をつけてた。」と、少し照れながらふみちゃんは教えてくれました。今後も、いろんなジャンルの料理を作って、飽きない食卓にしていきたいそうです。

「一緒に暮らしてからは、ふみちゃんが料理をしてくれる日が9割。感謝してます。特にごはんができるまでずっと仕事ができるのがありがたい。でも任せっきりにせず、できるだけ手伝って二人で作るようにしようとはしてるよ。」としょうくんは言いました。

ふみちゃんは、少しでもわくわくできる日々にしてあげたいという無償の愛で、毎日小さなプレゼントを送り続けています。しょうくんは、できるだけ手伝おうという思いやりの気持ちを持っています。家族だからと、甘えるのはとっても簡単。でもお互いにずっとこの気持ちを忘れないで、穏やかな食卓を囲み続けてほしいです。

なんでもない日常の中で、相手のために何かをする。それが自然とできているお二人ですから、きっと幸せな日々を紡いでいかれるのでしょう。この冬、ふみちゃんがよく作るという中華スープには、二人が一番好きな野菜を一つずつ入れて作ります。しょうくんが好きな白菜と、ふみちゃんが好きな人参。ふたつの野菜の甘いだしがかけ合わさり、とっても美味しいスープになりそうです。ちなみにしょうくんは人参が苦手なので、ふみちゃんにあげるそうです(笑)。

これからも末永くお幸せに♪

具材や調味料の分量はお好みで調節してください。酸辣湯の作り方を参考にして作ったそうです。お酢がバッチリよく合う味付けです。

【 材料 】軽く4杯分くらい
・白菜 200g
・人参 40g
・豚肉(細切れ肉orバラ肉など)90g
・卵 1個
・鶏がらスープ(顆粒) 大さじ1 〈味覇、中華スープの素などでも可〉
・濃口醤油 大さじ1
・塩 少々
・胡椒 適量
・片栗粉 大さじ1
・酢 適量
・ラー油 適量
・お湯 500ml

 
【 作り方 】

(1) 白菜、人参、豚肉は食べやすい大きさに切る。卵は溶いておく。片栗粉は同量の水で溶いておく。
(2) 鍋に湯を沸かし、鶏がらスープを溶かす。人参、白菜を入れて柔らかくなるまで煮る。
(3) 豚肉を入れ、アクを取りながら火を通す。
(4) 醤油、塩、胡椒を入れ味を整える。
(5) 水溶き片栗粉を入れ、とろみをつける。
(6) 卵を入れ、軽くかき混ぜる。火が通ったら完成。
(7) 器に酢を入れ、⑥を注ぐ。ラー油をかけていただく。

 

 

 

意識してみると、自分はいろんな愛をもらっているなぁと思います。出産してからは、家にずっといる生活を送っていて人と会う機会もなかなかないのですが、離れて暮らしている家族や、最近会えていない友達からも、きっと愛をもらっています。

目には見えないから、主観的でばかりいると気づけないこともあるけれど、どんなに小さな気持ちでも、受け取って生きていけたらいいなぁと思います。

次回は『元木家のお雑煮』をご紹介します

もりえりロゴ

この記事を書いた人

もりえり。
もりえり。料理人
鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。

苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。

趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。