ゆうさんのとある冬の日の炒め煮
【料理人・守永江里の名もなき料理】


料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は「ゆうさんのとある冬の日の炒め煮」をご紹介。

非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。

[名もなき料理とは]

 

元同僚のゆうさんのお料理をいつもSNSで拝見しています。料理、器、ランチョンマットなどの組み合わせが美しくコーディネートされていて、写真を見るのがとても好きです。でも、飾られた感じではなく、整っているのに生活感もあり、心地よいなぁと感じます。

「料理は大人のままごと。器に盛り付けるときが一番萌えるな〜。」とゆうさんは言っていました。

そういえば子供の頃、私もよくままごとをしました。実際にはほとんどやったことのない<料理>に憧れを抱き、おもちゃや目には見えない想像上の食材を調理し、その場でただ作りたいものを作り、何も考えず好きなお皿にのせ、遊び相手の反応を楽しみました。

大人は、料理をする時に考えすぎているかもしれません。子供の頃のままごとのように、わくわくすることに身を任せたいですね。
時間がかかりそうだからと考え、工夫する前から作るのを諦めたり、レシピを眺めるだけでめんどくさそうだと決めつけたりしてしまいがちですが、とりあえずやってみる!そして美味しくできる!と信じ、無邪気に遊ぶように料理したいです。

料理は義務だとか仕事だとか思うと、手を動かす前から肩が凝ってしまいますが、ままごとだと思って。子供の頃の憧れを形にできる、大人のままごとはきっと楽しいですよ。

 


発酵調味料をたくさん掛け合わせて
旨味がぎゅっと詰まった一品です。
食材の周りに絡んだたれを食べるだけで
あぁ〜美味しい〜と幸福感に包まれます。

【 材料 】

・鶏むね肉 200g(大1/2枚くらい)
・かぶ 200g(小3〜4個くらい)

・にんにく 1片
・しょうが 1かけ

・醤油麹 大さじ1/2

・味噌 大さじ1
・酒粕 大さじ1
・きび砂糖 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
・水 100ml

・油 適量

 

【 作り方 】

⑴ 鶏むね肉は一口大の削ぎ切り、かぶは6〜8等分のくし形切り、かぶの葉は2〜3センチ幅、にんにくとしょうがはみじん切りにする。
⑵ 鶏むね肉に醤油麹を揉み込んでおく。その他の調味料(味噌、酒粕、砂糖、酒、みりん、水)をよく混ぜ合わせておく。
⑶ フライパンに油、にんにく、しょうがを入れ、加熱する。香りが立ったら②の鶏むね肉を並べ入れる。3割くらい火が通ったらひっくり返し、フライパンの端のほうへ寄せる。空いたところにかぶを並べ入れる。両面に焼き色がついたら、②の調味料とかぶの葉のを入れ、煮る。具材に火が通る前に調味料が蒸発してしまわないように気をつけながら火加減を調節する。
⑷ 具材に火が通り、調味料が蒸発してとろとろになったら完成。

 

 

 

園児たちは名もなき遊びをしている。と
とある幼稚園の園長先生が言われていました。
子どもの遊びに、大人が教育的に名前をつけているだけだと。

あらゆることに対して、柔軟な視点で日常生活を送れたらいいなと思います。

次回は『まゆちゃんちのきゅうりとささみのやつ』をご紹介します

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この記事を書いた人

もりえり。
もりえり。料理人
鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。

苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。

趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。