真夜中の梅にゅうめん
【料理人・守永江里の名もなき料理】


料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は「真夜中の梅にゅうめん」をご紹介。

非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。

[名もなき料理とは]

 

真夜中の梅にゅうめん

友人のさわとこのにゅうめんを食べたのは、とある年の3月12日AM4:29。記憶では夜中だったけど、実際にはもう朝ですね。さわが、コンビニで出来合いのにゅうめんを買おうとしたところ、私の料理欲が発動し、「手作りした方が好みの味にできるんじゃない?」提案したそうです。あんまり記憶にはありません(笑)。

ということでコンビニで買い物をし、にゅうめんづくりをすることに。さわは、当時の味をよく覚えてくれていました。

「コンビニにある食材だけでぱっと作れて、卵がとろとろで温かくて美味しかったなぁ。あの頃、えりは色々大変そうだったけど、仕事していない同士たくさん遊べて、私はただただ楽しかったよ」

そうそう、あのときは鎌倉で営んでいた店をやめて、地元に帰っていた時。お店 “酒糸(しゅし) ” は自分にとって大切な居場所だったので、しばらく心の整理がつかないままの日々を過ごしていました。酒糸に関しては、またいつかどこかで必ずやりたいと思っています。さわとは毎日会って、不安な気持ちや将来の夢を語り明かしたり、ただただ世間話をして支えてもらっていました。

鰹出汁の香りやとろとろの卵にほっとしつつ、時々かじる梅干しで気が引き締まる一杯。さわと食べたこのにゅうめんが、あの時の不安定な気持ちを癒し、整い始めるきっかけになっていたのかもしれません。

『真夜中の梅にゅうめん』の作り方

夜中にからだをあたためるため、おつゆは多めに作っています。けれど、そうめんがしっかり吸うので、いつの間にか食べ終わった時にはおつゆもなくなります。お腹をしっかり満たしたい時は麺の量を増やして調節してください。塩分添加の顆粒出汁など味のある出汁をつかうときは、醤油の量を調節してください。2人分作る時は、ふたりでたまご1つにします。作りやすいようにしてみてください。

【材料】(1人前)

そうめん 50g

かつおだし 300ml
みりん 大さじ1
醤油 大さじ2
塩 ひとつまみ

梅干し 1/2~1個 (大きいものや塩分の強いものは少なめにしてください)
乾燥わかめ(水がお湯で戻して、ザルにあげてしぼっておく)
卵 1個(溶いておく)
片栗粉 小さじ1(水 小さじ1で溶いておく)

 

【作り方】

(1) そうめんをゆでる。鍋に湯を沸かし、そうめんの表示どおりの時間湯でて、ザルにあげ、洗って滑りを取り、水気を切っておく。
(2) 別の鍋に、だしを入れて蓋をして温める。蓋を開け、みりん、しょうゆ、塩をいれてひと煮立ちさせてアルコールを飛ばす。
(3) ②のつゆに、①のめんをいれ、温める。温まったら麺を器にいれておく。
(4) ③のつゆに、片栗粉と水をといたものをいれてまぜながら加熱する。とろみがついたら溶き卵をいれる。
(5) 麺を入れている器に、④のつゆを入れ、わかめと梅干しをのせて完成。

『真夜中の梅にゅうめん』を作り終えて

ちなみにカロリー計算をしてみたところ、1食あたり379キロカロリーでした。卵なしで作ると、228キロカロリーです! ちょっと小腹が空いたな、なんてときにおすすめです。胃もたれて眠れなくなっては、じぶんのためになりませんから、夜食はこれくらいが良いですね。

 

次回は『田中家のささみマヨチーズ』をご紹介します

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この記事を書いた人

もりえり。
もりえり。料理人
鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。

苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。

趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。