作野さんの野菜の蒸し煮
【料理人・守永江里の名もなき料理】


料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は「作野さんの野菜の蒸し煮」をご紹介。

非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。

[名もなき料理とは]

作野さんの野菜の蒸し煮

鎌倉の小町にあるサロンに定期的に通っています。この日もアイリストの作野さんといつも通りおしゃべりをしながら、施術を受けました。最近あった出来事を話したり、ゆっくり寝たり、くつろぎの時間を過ごさせてもらっています。施術を受けることが1番の目的ですが、それと同じくらい、作野さんとのおしゃべりの時間を楽しみに伺っています。

でも、そういえば料理の話をしたことがない。作野さんが普段どんなお料理を食べられているのかが気になったので、「最近美味しかったものありますか?」と聞いてみました。

「野菜とお肉を蒸したものにはまってよく作ってるよ。最近蓄熱性の高い鍋を買って使ってるんだけど、ゆっくり火にかけて調理した野菜たちがおいしくて。じゃがいもに関しては、じゃがいもってこんなに美味しくなるんだってちょっと感動したくらい」と、いつもの明るい口調で教えてくれました。

” やさしい火加減であせらずじっくり料理した野菜の蒸し物 ” というのが、作野さんのイメージにぴったり。

作野さんのサロンは、太陽光の差し込むお部屋に、元気いっぱいの観葉植物が並んでいます。初めは小ぶりだった植物たちも、作野さんの手入れのおかげでぐんぐん成長し、天井に着きそうなほど成長したものも。ゆったりとした心地よい音楽が流れていて、たくさんの人が訪れる場所なのに、髪の毛一本たりともおちているところも見たことがないくらい綺麗です。いつも洗練されているこの場所に来ると、きっと作野さんは自分のペースを分かっている大人の女性で、目の前のことをこつこつできる丁寧な方なんだろうなぁ、と感じます。

日常の暮らしの中にある発見を楽しみ、自分のペースで生きる。子育てを理由に、せかせかと暮らしていてはいけませんね。駆け足すぎる!とおもったらこの、野菜の蒸し煮を作って、深呼吸していくことにしようと思います。
 

『作野さんの野菜の蒸し煮』の作り方

豚バラの代わりに鶏もも肉で作る場合は、仕上げにバターを入れてコクを足すそうです。そちらもおいしそう~。無水鍋で作るのがおすすめですが、私は鍋の縁に濡らした手ぬぐいを巻きつけ、密閉度をあげて作りました。

【 材料 】
・じゃがいも
・にんじん
・たまねぎ
・キャベツ
・豚バラ肉
・その他お好みの野菜
(今回は作野さんおすすめのビーツを足しました)

・チキンブイヨン
・野菜ブイヨン

・塩
・胡椒

【 作り方 】
(1) 具材を切る。じゃがいもは4~6等分、にんじんは乱切り、玉ねぎはくし切り、キャベツは大きめのざく切り、豚バラ肉は5センチ幅くらいに切る。その他の野菜もお好みの大きさに。
(2) 鍋にじゃがいも、にんじん、たまねぎを入れ、キャベツをかぶせる。その上に豚バラ肉を広げ、塩、胡椒を適量振る。ブイヨン、水を100mlくらい注ぎ、蓋をする。
(3) 中火にかけて10~15分加熱する。一度かき混ぜ、具材に火が通るまで大体5~10分くらい加熱する。火を切って、10~15分蒸らす。具材の量や鍋の性質によって加熱時間に差があるので、火が通るまでゆっくり加熱してください。
(4) 器に盛って完成。

『作野さんの野菜の蒸し煮』を作り終えて

先日、家族全員コロナウイルスにかかり、発熱しました。ちょうど地元に帰る予定だった時で、とってもショック……。忙しい日も、疲れた時も、地元に帰ることを楽しみに乗り越えてきていたので。この先どんなことがあるかわからないので、イベントごとを作るのもいいけれど、日常を楽しむことで人生を充実させないとな、と感じました。
 

次回は『伊織さんのまぐろっけ』をご紹介します

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この記事を書いた人

もりえり。
もりえり。料理人
鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。

苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。

趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。