なぎさちゃんのなすごはん
【料理人・守永江里の名もなき料理】


料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は、なす嫌いのなぎさちゃんがパクパク食べた!「なぎさちゃんのなすごはん」をご紹介。

非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。

[名もなき料理とは]

なぎさちゃんは3歳の女の子です。いつもお母さんと一緒に、保育園が終わったあとお買い物に出かけます。

[ お買い物に行ってピーマンを選ぶなぎさちゃん ]

お買い物好きのお母さんと一緒なので、2日に1回はスーパーへ行っていて、食材選びも慣れっこのようです。えのきやブロッコリー、アボカドが特にお気に入りですが、買う食材をなぎさちゃんが決めて、お母さんの献立決めをお手伝いしています。

この日は、「可愛いからこれ食べる!」といって、これから美味しくなる季節の丸茄子を選びました。でも実は、なぎさちゃんはナスが苦手です。

小さい頃から和風出汁の味に食べ慣れているなぎさちゃんの味覚に合わせて、お母さんが少し甘めの味付けでなすごはんを作ってくれました。なすが苦手だったはずのなぎさちゃんも自ら進んで、パクパクと食べたようです。何気ない日常の夕食時に、なぎさちゃんが一つ苦手を克服し、好きなものを増やしました。

「料理は気分が乗ったときは好きだけど、お米炊くのもめんどくさいって思うときもあるよ。(笑)」とワーキングママであるなぎさちゃんのお母さんは言っていました。

このなすごはんも、調理所要時間は10分くらい。時間がなくてもささっと美味しいものを作ってくれるお母さんがいて、なぎさちゃんは本当に幸せ者です。「お母さんのごはんおいしい!」ってなぎさちゃんも口にしていました。これからも美味しいお母さんのご飯をたくさん食べて大きくなってね、なぎさちゃん!

ご飯にバッチリな味付け、食材の組み合わせで優しい和の味付けなので、食べると体も心もほっとします。

「大人にはちょっと物足りないかも。山椒や七味唐辛子で味を締めてみて!」となぎさちゃんのお母さんは教えてくれました。

【材料】2人前
・なす  1本
・豚肉(細切れ) 100g
・卵  2個

・だし  100ml
・みりん  大さじ2
・濃口醤油  大さじ1.5
・砂糖  大さじ1

・油  適量

 

 

 

 

 

 

 

 

【作り方】
(1) 卵は溶いておく。ナスは食べやすい大きさに切る。
(2) フライパンに油を敷いて熱し、豚肉を入れ、いためる。
(3) ある程度肉に火が通ったら、ナスも入れて炒める。
(4) だし、みりん、醤油、砂糖を入れて、なすがしんなりするまで煮る。
(5) 味見をして調節をし、溶き卵を入れてとじる。
(6) 卵が好みの硬さになったら、完成。ご飯にのせていただく。

私は料理は好きなんですが、あんまりお買い物が好きじゃないんです。これくらいの大きさと鮮度ならもうちょっと安くなってから買おうかな……とか貧乏性が働いて、いろんなことを考えて一つ一つ悩んじゃうんです。

なぎさちゃんみたいに、もうちょっと直感的に、これ可愛い!とかこれ美味しそう!とかワクワクする見方でお買い物をしてみようと思いました。

次回は『竹沢家の豆腐の煮たやつ』をご紹介します

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この記事を書いた人

もりえり。
もりえり。料理人
鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。

苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。

趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。