「もしかしたら、やってくるかもしれないし、やってこないかもしれない」のが災害です。それでも、いざ! というその日のために、心とモノとを備えて置くのがイマドキの防災・備災。けれど、「防災食をばっちり準備しよう」と力を入れすぎると出費がかさんだり、保管場所に困ったりするのも事実です。今回は日常の中で、無理なくいつもの食品を備蓄する“ローリングストック法”をご紹介します。
“防災食”ではなく“いつも食の食品”を常備する
“防災食”は保存期間も長く、火や水を使わなくても食べられるものも多くあり、非常時の心強い味方。一方では、保存期間が長いがゆえに「気が付いた時には、消費期限が切れていた」ということも多いようです。また、見落としがちなのは「食べ慣れないものは、食べづらい」ということ。非常時こそ、いつもの味が恋しくなるもの。子供たちにとっても、非常時にいつもの味を口にできることは、ストレスの緩和につながるのではないでしょうか。また、食物アレルギーを持つ方にとってもご自身が食べられる“いつもの食品”を常備しておくことが重要です。
購入と消費を回転させる“ローリングストック法”
そこでおすすめしたいのが、“ローリングストック法”。難しいテクニックはいりません。日常の食生活の中で少し多めに食品を購入しておき、食品を食べたら、食べた分だけ購入する方法です。常に一定量の食品を備蓄しておくことを意識しながら回転させるように購入と消費を行います。この方法であれば、消費期限を逃すことも、いつくるかわからない「もしも」のために保管場所を取られることも、食べ慣れない食品を非常時に食べることもなくなります。
どのくらい備蓄する? どんなものを備蓄する?
では、具体的にどういったものを備蓄しておけばよいのでしょうか?
【水】一番といっていいくらい大切なものは水です。大人ひとりが一日に必要な水の量は3リットルといわれています。備蓄のおおよその目安は3日分ですから、4人家族の場合は36リットル分を常に保存しておきます。
【食品】4人家族であれば、最低でも3日×3食=36食分を用意しておきます。
・常温でも食べられるレトルトのカレーやおかゆ、パスタソース
・自然解凍で食べられる冷凍食品、ツナ缶や鯖缶、フルーツ缶、スープ缶
・乾麺では調理時間の短い素麺がおすすめです。そのほかにインスタント麺やパスタ
・インスタントスープやお味噌汁
・カロリーメイトやゼリー飲料
・子供の好きなお菓子
購入した食品は必ず古いものから食べていきます。右から左、奥から手前など、ルールを決めておくと備蓄と消費がしやすくなります。また、災害はいつ起こるかわからないものです。保存分を使ったら、次の買い物の時には必ず買い足すよう心掛けておきましょう。
熱源も必ず準備、備蓄を忘れずに
また、食品以外に大切なのは熱源です。カセットコンロとカセットボンベは必ず用意しておきましょう。カセットボンベも一定量を常に備蓄しておきます。可能であれば、非常用電源も備えておけると在宅避難時の安心感が違います。食品以外では赤ちゃんのおむつやおしりふき、生理用品などは平常時に一つ多く購入して置く習慣をつけましょう。
“ローリングストック法”は、非常時のための備蓄となるだけでなく、無駄なく食品や生活用品を備蓄し、保存場所を整理整頓するきっかけにもなります。「もしも」のことだけを考えた備蓄ではなく、生活をスマートにする方法のひとつともいえるのではないでしょうか。
この記事を書いた人
- バリバリ働く社会人時代から、妊娠出産後の専業主婦期を経て夫と死別、復職。3人の息子を育てるシングルマザー。フリーランスとして創造的な人生を生きるママや女性たちのユニット「クリエイティブマムズリンク」代表。女性の「はたらきかた」をクリエイティブすることをミッションに大学院にも籍を置き研究に勤しむ日々。
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