赤ちゃんのための防災は月齢に合わせて見直しを
【もしもカルタ「あ」】


筆者は子どもたちが小学生になった今よりも、乳幼児期の方が災害に対する不安を大きく感じていました。当時は東日本大震災が発生した時期でもあり、もし居住地でも大きな地震が来たらどうするのか。どうやってあまり年の変わらない3人の子どもたちを連れて避難するのか。不安が大きかったからこそ、避難経路についてシミュレーションし、こまめに避難袋の中身をチェックしていました。今回はそんな経験も踏まえて「赤ちゃんのための防災」について考えてみましょう。

赤ちゃんに安全な部屋作り

赤ちゃんが日中過ごす部屋のたんす、食器棚、本棚などの家具は倒れないように壁に固定しましょう。また扉があるものは留め具をつけて、中身が飛び出してこないようにします。窓には飛散防止フィルムを貼ります。また、赤ちゃんがベビーベッドで眠っている場合は、キャスターが動かないようにロックは常にかける習慣を。またテレビや電子レンジなど動きそうなものはジェルシートなどで台に固定し、赤ちゃんのいる場所に物が落ちてこないよう部屋の中を確認してみましょう。

赤ちゃんに必要な防災グッズ

【水、ミルク、哺乳瓶】
ミルクは液体ミルクが便利です。もしくはキューブタイプのミルクと水。自宅での備蓄量は1日1lを目安に、3~7日分用意します。哺乳瓶は洗浄、消毒ができない場合を想定して使い捨てのタイプが衛生的です。持ち出し袋に入れる場合は、500ml×2本程度を目安に準備しておきます。また、母乳の場合は授乳ケープも携帯しましょう。

【離乳食、スプーン、お椀、ラップ】
月齢に合わせた離乳食をローリングストックで常に多めに用意しておきましょう。お椀にはラップをかけて使い、食洗の回数を減らします。どうように使い捨てのプラスチックスプーンも非常時には役立ちます。子どもがアレルギーを持っている場合は、持ち出し袋に入れる離乳食は少し多めに準備します。

【おむつ、使用後のおむつ入れ、おしりふき】
おむつは常に一つ多めにストックしておくことを心がけましょう。持ち出し袋に入れる際は圧縮袋に入れてコンパクトに。使用後のおむつ入れも消臭タイプのものがおすすめです。また、おしりふきは大人の体を拭くこともできるので、多めにすとっくしておくとよいでしょう。

【ウェットティッシュ 、洗浄綿】
必要に応じて、自宅の備蓄ではローリングストックで多めに保管しておきましょう。

【ガーゼ、歯ブラシ】
赤ちゃんの顔を拭いたり、口腔の衛生を保ちます。持ち出し袋には必ずいれておきましょう。

【肌着、着替え】
赤ちゃんの成長はめまぐるしいものです。持ち出し袋に入れっぱなしにせず、季節や月齢によって必ずチェックをし、入れ替えておきましょう。

【ブランケット】
赤ちゃんの体温調節の必需品です。防災用のコンパクトタイプもおすすめです。

【チャック付きポリ袋】
こちらは必要に応じてですが、あると便利なもの。小さくまとめて持ち出し袋に入れておきましょう。

【母子手帳、保険証のコピー】
赤ちゃんにとっての大切な情報になります。非常時に慌てなくてよいように持ち出し袋にはコピーを入れておきましょう。

一時避難と在宅避難両方の準備を

災害発生直後には、一時避難をする場合もあります。その場合を想定して、最低でも上記のグッズを3日分程度持ち出し袋に用意しておきます。避難の際にはベビーカーを使うことが難しいため、抱っこ紐の準備をしておきましょう。年の近い兄弟がいる場合は、避難用に2人同時に抱っことおんぶができるタイプのものもあるので、チェックしてみましょう。また、その後に在宅避難となる場合も想定されますので、家で備蓄できるものは、ローリングストック法で少し多めに置いておくことを心がけておきましょう。

小さな子どもを抱えての避難は不安も多いものですが、各家庭の状況に合わせた備えをしておけば、いざという時にも落ち着いて行動することができますよ。

この記事を書いた人

大原康子
大原康子プランナー
バリバリ働く社会人時代から、妊娠出産後の専業主婦期を経て夫と死別、復職。3人の息子を育てるシングルマザー。フリーランスとして創造的な人生を生きるママや女性たちのユニット「クリエイティブマムズリンク」代表。女性の「はたらきかた」をクリエイティブすることをミッションに大学院にも籍を置き研究に勤しむ日々。