2歳9ヶ月の娘の母親である筆者が、新型コロナウイルスに感染しました。最初はただの風邪だと思い、いつも通りに子どもと接していたところへの陽性判明。「濃厚接触者」となった2歳児のPCR検査の様子や症状、自宅療養解除までの過ごし方はどのようになるのでしょうか。
目次
「ただの喉風邪」「いつもの偏頭痛」かと思いきや 急に味がしなくなった!!
最初に咳をし始めたのは夫でした。軽い咳が2〜3日続いただけで自然に治まりましたが、その後私も咳が出始めました。ですが季節の変わりめはよく喉の風邪をひいていたため、今回もそうだろうと思い、さほど気にしていませんでした。多少頭痛もするものの、普段から偏頭痛持ちのため、こちらもまったく気にせず。念のため熱を測りましたが、37.0度前後の微熱だったので、「まさかコロナではないだろう」と安心しきっていたのです。
咳と頭痛がするものの、市販のロキソニンを飲みながら、いつも通りに過ごしていた4日目のこと。夕飯を食べ、デザートにアーモンドを食べた瞬間「???」。アーモンドの味がまったくしないのです。ほんの1分前まで食べていた夕飯の味はいつもと変わらなかったのに、まるで電源をバツっと切ったかのように、瞬時に味覚と嗅覚がなくなりました。すぐに他の食材、フルーツや牛乳などを試してみましたが、どれも同様。「鼻がつまっているわけでもないのにこれはおかしい」「これほどまったく味も匂いもしないなんて、コロナに感染したとしか思えない」と確信したのです。驚きと呆然とした気持ち、そして子どもへの感染への不安と恐怖が襲ってきました。
PCR検査で陽性が判明 2歳の娘も検査をすることに
翌日の月曜日、朝一番で近所の内科に電話をかけ症状を話し、コロナの疑いがあることを伝えたところ、その日の診療時間が終わった夕方に、まずは私だけPCR検査をすることになりました。この病院でのPCR検査は唾液で検査するタイプ。鼻の奥に綿棒を入れて粘膜を擦る「鼻咽頭ぬぐい検査」という方法は、とても痛いと聞いていたので、子どもが受けることになったら可哀想だと心配していたため、ホッとしたのを覚えています。
唾液の採取が終わり、お会計をしている間、看護師の方が「味がまったくしないんですか?」「大変ですね。料理の味付けはどうしているんですか?」などとフレンドリーに話しかけてくれたのが意外でした。私自身、心のどこかに「コロナの疑いのある人となんて本当は話したくないだろうな」「コロナ対策で忙しいだろうに、申し訳ない」という後ろめたさがあったため、少し気持ちがほぐれたような思いでした。
翌日の午前中に病院から電話があり、やはりコロナ陽性だということが判明。「今日中に保健所から電話がくるはずなので、今後は保健所の指示に従ってください」という流れになりました。そして何よりの気がかりは、娘のこと。私がただの風邪だと思い、咳をしている隣で、すでに5日間も一緒に過ごしているのです。「これで感染していないはずがない」と思わざるを得ません。おそらく陽性だろうという前提で、夫と娘が再びPCR検査を受けに行きました。2歳では唾液が規定の量に達するまで、何度も溜めて吐くことは難しいという病院側の判断で、「水を口にふくんでうがいをし、紙コップに出したあと検査キットに移す」という方法で検査をすることができ、安堵しました。
そして翌日、夫と娘も陽性だという連絡があり、「やっぱり」と頭を抱えました。ですが不幸中の幸いで、ふたりともまったくの無症状。もしかすると夫は、一週間ほど前にしていた咳が“症状”だったのかもしれませんが、娘は咳も熱もなく、元気そのもの。「どうかこのまま、無症状で治りますように……」と祈るような日々でした。
無症状の2歳児と寝込む私 1週間どう過ごした?
私の陽性が判明した翌日、市の保健所から電話があり、症状などについて聞き取りがありました。ここ数日での外出先についても聞かれましたが、「しばらく買い物や子どもの習い事などは控えていたため、思い当たる場所がない」と答えると、それ以上詳しくは聞かれませんでした。今は感染者が多すぎて、感染経路の特定はそれほど重視されていないのかもしれません。
聞き取りの翌日に、保健所から「パルスオキシメーター」という機器が送られてきました。これは血液中の酸素飽和度を測定する機器で、この数値が低い場合、自覚がなくても症状が悪化している可能性があるため、重症化を早めに発見することができるようです。私の住んでいる神奈川県では「神奈川県療養サポート」というLINEアカウントに登録すると、毎日体調確認のためのLINEが届き、そこに体温とパルスオキシメーターの数値を入力します。LINEを返信しないと、数時間後に保健所から電話がきて、口頭で数値を伝え、体調確認をするというシステムでした。
意外と手厚い自治体のサポート「自宅療養セット」に大助かり
陽性判明から4日後、県から「自宅療養セット」が届きました。カップラーメンやレンジで温めるだけのご飯、レトルト食品など常温の食品と、トイレットペーパーやティッシュなどの生活必需品が入っています。さらに後日、野菜やお肉などの冷凍おかずのセットが3回も送られてきました。自分の食事はもちろんのこと、子どもの食事を用意するのも大変だったため、この宅食サービスにはとても助けられました。
私の症状はと言うと、最初は咳と頭痛程度だったのが次第に悪化。毎日ロキソニンを飲んでいたせいか、それともコロナの症状なのか、吐き気が続くようになり、そのうえ味も匂いもしないため食欲がまったくわきません。味がしなくても喉を通りやすいバナナなど、フルーツをおもに食べていました。幸い夫と娘はその後も無症状のままだったので、午後までは娘を夫に任せて私は横になり、娘のお昼寝のときも一緒に眠り、夫がリモートで、自室から仕事をしなくてはならない夕方頃には、私の布団をリビングに移動させ、横になったまま娘のおままごとに付き合ったり、DVDを見せてなんとかやり過ごすという日々でした。
おわりに
私のコロナ発症からようやく1ヶ月が経とうとしています。体調はすっかり回復しましたが、味覚と嗅覚はまだ完全には戻っていません。「食べ物の種類や味付けによっては、うっすらと味がする」という程度で、飲み物やパンなどは、まだほとんど味がしないままです。また、2~3日続けて外出すると疲れが溜まるのか、痛み止めを飲まなくてはいられないほどの酷い頭痛がするのも、コロナの後遺症かもしれません。
コロナに感染する直前まで、外出時は必ず不織布マスクをし、手洗いや消毒は当然徹底。帰宅したらすぐに服を着替え、外で使用したスマホは毎日除菌ティッシュで消毒。ドアノブや水道の蛇口もアルコールで拭いていました。それでも感染を防ぐことができなかったのです。また、おそらく同じコロナ株に感染したであろう夫が、まったくの無症状だったのは、夫がワクチンの接種を2回済ませていたからなのかもしれません。私はタイミングの悪いことに、なんと陽性判明の翌日が、ワクチン接種1回めの予定だったのです。
対策をしっかりしていても、感染は運次第なのかもしれません。ですがワクチンが重症化を防ぐことは間違いないだろうと感じた、わが家のコロナ感染騒動でした。
この記事を書いた人
- ライター・イラストレーター。365日パンとスイーツを食べない日はない小麦粉系女子。コンビニとコストコ新商品のチェックが趣味。グルメ、旅行、育児を中心に執筆中。