やわらかな流線が美しい
「アアルト夫妻」のプラントポット


日常に加えたい、ちょっといいもの。その“ちょっと”に気付けることで、有事の際にも心が豊かになれそう。

ライフスタイル、デザイン、ファッションの世界で、ブランドやプロジェクトを作る人の想いをまとめる、伝える。フリーランスPRのキム サンエさんが、日々の生活に加えたいちょっとうれしくなるもの・ことをご紹介。

毎日の楽しみのひとつは、育てている植物を眺めることです。ぱっと見ではあまりわからないけれど、よく観察すると昨日までなかった新芽が出ていたり、しばらく変化がなかったのに急にぐんぐん伸び始めたり。

そんなに広くない自宅の室内で、いくつか植物を育てています。お料理に使えるローズマリーとこぶみかん、旅の思い出に空港で買ったパイナップル、何かのおまけでいただいたコットンの種は植えてみたら想像以上に伸びて、天井についてしまいそうです。

苗を買ってきていつも悩むのは、どんな鉢に植えるか。なかなか気にいるものが見つからずに、しばらくプラスチックポットのままということもあります。そんな中で見つけたのが、フィンランドの偉大な建築家/デザイナーのアルヴァ・アアルトの妻、アイノ・アアルトがデザインしたプラントポットです。

リーヒティエプラントポットと名付けられたこの鉢は、ヘルシンキのリーヒティエ通りにある夫妻の自邸のためにデザインし、1937年のパリ万博で展示されたもの。北欧のインテリアブランドartekがフィンランド独立100周年を祝って製品化したそうです。

リーヒティエ通りのアアルト夫妻自邸

自然を愛したアアルト夫妻自身のために、自然の素材と実用性、そして環境にそっと馴染むようにとデザインされたプラントポットは、有機的でやわらかな流線が美しく、円筒型のシンプルな鉢が並ぶ中でも、ちょうど良い存在感を出してくれます。ひとつひとつ人の手で作られているということで、機械生産にはない温かみが感じられます。

artek WEBサイトより

一般的な植木鉢のように底穴がないのでうまく育てられるか不安でしたが、軽石を敷いた後にこぶみかんを植え込んでみました。去年の春ごろに苗を植えて、無事にぐんぐん育ってくれています。少し苦しそうになってきたので、そろそろ植え替えてあげたほうが良いのか悩みどころですが、次も同じポットをシリーズで購入したいと考えています。並んだ様子もすてきだろうな、と今から想像してみるのも楽しい時間です。


artek リーヒティエプラントポット 8,800円~19,250円(税込)

artek

日非日非日日とは
もしもの時の準備の準備とは

この記事を書いた人

金祥艾
金祥艾フリーランス PR / Project Manager
ライフスタイル、デザイン、ファッションの世界で、ブランドやプロジェクトを作る人の想いをまとめる、伝えるためのお手伝いをしています。連載では、日々の生活にあると、ちょっとうれしくなるものやことをご紹介していきます。