災害に遭遇した時にどう命を守る?神戸の「人と防災未来センター」で考える


災害が起こったとき、家族がみんな一緒にいるとは限りません。親も子も、それぞれの判断で身を守る必要があります。私の子どもたちにも緊急時の行動や備えを学んでほしいと、親子3人「人と防災未来センター」へ行くことにしました。神戸市営地下鉄から阪神電車へ乗り継ぎ、岩谷駅で下車。徒歩10分ほどで到着。兵庫県立美術館から西へ三件目、ガラス張りの大きな建物です。

海沿いにあるガラス張りの施設。映画「オオカミ少女と黒王子」のロケ地にもなっています。

「人と防災未来センター」は、阪神・淡路大震災の経験から、防災・減災の重要性を、世界そして次世代へと発信するために設立されました。映像資料や展示品、体験コーナーを通して防災への学びを深める施設としての側面と、防災研究や専門家の育成、災害の現地調査・支援といった防災の専門機関としての役割があるそうです。

というわけで、さっそく中へ入ってみました。
西館からスタートです。はじめに4Fの「1.17シアター」に案内していただき、阪神・淡路大震災の映像を見ました。防犯カメラやドライブレコーダーなどで撮られたであろう、激震の瞬間をとらえた映像です。阪神高速の橋桁が倒壊する瞬間や、淡路島の民家に土砂が押し寄せる様子など、いくつかの映像をつなげた5分ほどの記録でした。地震の凄まじさをモノクロの映像と音の迫力を通して体感できます。大人が見てもなかなか衝撃的な映像でした。

1.17シアター

1.17シアターの映像を見た後、震災直後のまちの被害をジオラマで制作した空間を通るのですが、非常にリアリティがありました。
次に「大震災ホール」へ移動し、ここでは被災した女の子の語りで震災復興をみつめるドキュメンタリー映像を見ました。倒壊した家屋に取り残された人を救出する様から、避難所となった体育館での生活、瓦礫が撤去され徐々に整備され変化していくまち並みまで、阪神・淡路大震災からまちを建て直し、賑わいを取り戻すまでを追体験できます。小学生の娘は時折涙を流していました。

震災後のまちの様子がリアルに再現された空間

大震災ホール

2本の映像を連続して見終えたら、3F「震災と記録のフロア」へ進みました。ここは阪神・淡路大震災の膨大な資料が展示されています。「記憶の壁」では、被災者から提供されたという災害時の写真が所狭しと並んでいました。復興していく街の姿をグラフィックやジオラマ模型で表現した「復興への道」も見ました。当時の記憶が思い出されます。

記憶の壁

復興への道

2Fは「防災・減災体験フロア」でした。まずは、防災について遊びながら学べる「防災ワゴン」のコーナーへ向かいました。パズルやゲーム型の体験キットを順番に楽しんでいました。
「防災の備え」が並んだショーケースもありました。携帯すべき0次、非常時持ち出し用の1次、備蓄用の2次の3つの場面で、それぞれ必要な非常食や防災用品が展示してあり、非常に参考になりました。
また実験ステージでは、ボランティアの方が免震の仕組みや液状化現象を実験道具を使ってわかりやすく説明してくださいました。

防災ワゴン

防災ワゴン

防災用品が並んだショーケース

実験ステージ

西館を堪能した後は、渡り廊下を通って東館へ。エスカレーターを上がって3F「BOSAIサイエンスフィールド」へ向かいました。ここは最先端テクノロジーを使って自然災害を学ぶ体験スポットのフロアです。
まず壁面いっぱいの大画面で「ディザスターウォール」を見ました。自然と人が交わることで生じる災害について学びます。


次に、最新技術を使って自然現象のメカニズムを知る「ジオ&スカイホール」へと進みました。ペダルを踏んで、津波発生の仕組みを学ぶ「ウェーブメーカー」や、円形テーブル上モニターに映し出されたプレートを押して地震を起こす「プレートプッシュ」などおもしろい体験スポットがあります。

ウェーブメーカー

プレートプッシュ

子どもたちが特に楽しんでいたのは「ウェザーウォーク」と「マグニチュードパンチ」です。「ウェザーウォーク」は、フロアに投影された等圧線の上に立ち、高気圧を歩いて動かすことで、台風の進路を誘導します。うまくコントロールできたらA判定です。また、「マグニチュードパンチ」は、スクリーンをハンマーで叩いて地震を起こし、その強さや位置によって地上にどんな揺れを及ぼすか知ることができます。遊び方がわからなくても、常駐しているボランティアの方が丁寧に教えてくださるので安心です。

ウェザーウォーク

マグニチュードパンチ

最後に、ハザードVRポート、ミッションルーム、クエスチョンキューブへ移動しました。実施時間の関係で、風水害から避難するためのミッションルームに参加することになりました。リアルに再現された家屋で近くの河川が氾濫した際の避難にチャレンジ!そのあと、ガイドのお姉さんの解説を聞きました。災害時は地域の避難情報、警戒レベルを確認し、適切な服装で逃げることが大事なんですね。
その他、VRを使ったリアルな災害体験ができる「ハザードVRポート」や、災害クイズに答える「クエスチョンキューブ」もありました。おもしろそうだったので、次回は参加してみたいですね。

ハザードVRポート

ミッションルーム

ミッションルーム

クエスチョンキューブ

風水害のミッションをクリアした後は、1Fまで降りてミュージアムショップを少しのぞいて見学を終えました。

青い光に包まれたエスカレーター

防災用品も買えるミュージアムショップ

タイムリミットがあり残念ながら今回はパスしましたが、1F奥には「こころのシアター」があり、約15分間の東日本大震災のドキュメンタリー映像を見ることができます。2022年4月より、約11年ぶりに新作の上映がはじまったそうなので、お時間ある方は最後にぜひ見て帰ってほしいと思います。

こころのシアター

小学生にはまだ早いかな、と思っていましたが、二人とも楽しみながら、災害から身を守るための知識が学べたようです。どうぞみなさんも足を運んでみてください。毎月17日は無料開放しているそうですよ。

(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
078-262-5050
観覧時間/平日9:30~17:30(入館は16:30まで)
金・土曜日9:30~18:00(入館は17:00まで)
※ただし、7~9月は9:30~19:00(入館は18:00まで)
休館日/毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合は翌平日)
入館料/大人600円 大学生450円 高校生以下無料
問合せはこちらから

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この記事を書いた人

しまかもめ
しまかもめフリーライター
(株)大阪宣伝研究所にコピーライターとして勤務。その後、デザイナー、編集者、フリーペーパー営業、ネットショップ企画運営を経て、独立。神戸市在住の3児の母。防災に携わる人々の取材をしています。