料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は、「驚きの簡単さでとっても美味しい!家庭で愛されてきた名もなき料理レシピたち」をご紹介。
非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。
今回は、過去にご紹介させていただいたご家庭から、紹介しきれなかったレシピを掲載いたします。もっともっと、ご紹介したいお料理がありますが、今回はこの3品です!
● 對馬家のしゃきしゃきレンコン
● 中島家の目玉焼きにウインナーのっけたやつ
● 山下家のあじのなめろう
どれもとっても簡単で、とっても美味しいです!作ってみるとなんとなく、ご家庭で愛される意味がわかってくるのが、名もなき料理の面白いところです。気になるものがあったら、ぜひ作ってみてください。
初めて對馬家でこのお料理をいただいたとき、レンコンってこんなにしゃきしゃきするんだ!ってびっくりしました。切り方と火の通し方がコツです。お祖母様が作られていた料理。とってもシンプルな味付けですが、クセになって箸が止まりません。ノンオイルでヘルシーなのも嬉しいです。
【 材料 】
・れんこん
・料理酒
・濃口醤油
・鰹節or粉末だし
【 作り方 】
(1)れんこんは縦4等分にきり、一口大の乱切りにする。
(2)フライパンにレンコンを入れ、火にかける。少し温まって湯気が出てきたら、料理酒を入れて炒る。料理酒の量は、フライパンの底全体に、少し酒がたまるくらい。全体が透明になるまで、時々混ぜながら火を通す。焦げそうになったら、料理酒を足してください。
(3)レンコンに透明感が出て、アルコールが飛んだら火を止め、醤油と鰹節を入れ混ぜる。少しみりんを入れても甘味が出て美味しいです。
(4)器に盛って完成。冷めても美味しいので、常備菜やお弁当のおかずとしても適しています。
中島家では、晩御飯のおかずという一品。お父さんが作ってくれるそうです。子供はごはんのおかずに。お父さんはお酒のあてに。
卵黄を潰すことで、ウインナーと一体感が出て、卵とウインナーを一緒に食べるのが美味しいです。
【材料】
・卵
・ウインナーソーセージ
・塩
・胡椒
・ケチャップ
・サラダ油
【作り方】
(1)ウインナーに切り目を入れる。
(2)フライパンにウインナーを入れて、焼き目をつける。
(3)ウインナーを端に寄せて、サラダ油を少し入れたところに、卵を割り入れる。
(4)水を少し入れて、蓋をして蒸す。
(5)黄身をつぶして、ウインナーを上に乗せる。
(6)卵に火が通ったら、塩、胡椒を振る。
(7)器に盛って、ケチャップをかけて完成。
山下家のお祖母様が神奈川県二宮町の魚屋さんで捌き方を見て学び、お家に帰ってなめろうを作られたそうです。三世代で愛されているレシピです。生姜と味噌をたっぷり入れます。とっても美味しいので、魚料理はハードルが高いと思っている方にも、ぜひ挑戦していただきたい一品です。
【 材料 】
・鯵 ‥ 3尾。三枚におろし、皮と中骨を取ったもの。
・生姜 ‥ 20g
・白ねぎ ‥ 15cm
・大葉 ‥ 3枚
・麦味噌 ‥ 大さじ3
【 作り方 】
(1)大葉を粗みじんに切る。皿に置いておく。
(2)白ねぎを縦半分に切り、小口切りにする。
(3)生姜を粗みじんに切る。
(4)鯵を細切りにする。
(5)ねぎ、生姜、鯵を合わせて、2本の包丁で細かくなるまで叩く。
(6)味噌を加え、包丁で切りながら混ぜる。
(7)皿に木の葉型に盛り、大葉を散らして完成。
口頭で聞くだけで作れちゃう簡単さ。でも聞かれないと話題にならない素朴さ。この両方をもっているのが名もなき料理です。教えてもらえるととってもワクワクします。隠れていた宝物を見つけられたような気分になります。これからどんな名もなき料理に出会えるか、楽しみです。
次回は『林家のカレーのたまご』をご紹介します。
この記事を書いた人
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鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。
苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。
趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。
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