心が喜ぶ「イケウチ・オーガニック」のタオルで
「皮膚」という境界領域について考える


関西生まれの編集者。ヨガやボディワーク、旅の本などに携わり、旅とヨガは似ているなと思う今日この頃。旅や転居、災害など日常と非日常の狭間で、自分を取り巻く〈内〉と〈外〉の環境を心地よくするために役立つアイテムを紹介する。今回は、「イケウチ・オーガニック」のタオルです。

私は無類のタオル好きです。もう少し正確に言うと、タオルケットが大好きで、年中愛用しています。好きすぎて以前調べたことがあるのですが、「タオルケット」という言葉は英語ではありません。ご存じでしたか? 「ブランケット」と「タオル」を組み合わせた和製英語。つまり、タオルケットは日本生まれの発明品なのです。

湿気の多い日本の夏の夜をどうにか気持ちよく眠りたい、という想いからタオル用のパイル織物を改良してつくられたのでしょう。海外のホテルにはバスローブが結構な確率で置かれていますが、これまでタオルケットに出合ったことはありません。本来バスローブは素肌に羽織るもののようなので、入浴後にバスローブを纏い、ベッドに潜ればタオルケットに包まれる、というスタイルは好まれそうなものなのに。不思議ですね。

今回のお題の「タオル」。実は、簡易タオルケットとして重宝しています。顔に触れる毛布の端にクルッと巻きつけたり、首周りに添わせてみたり。汗を吸ってくれるし、何より温かい。タオルケットほどの広さはありませんが、毛布と肌の間に、空気を含んでふわっふわな綿の布を一枚挟むだけでも十分に心地よさを味わえます。

こんなにタオルを好む理由を考えてみました。

まずは、香り。繊維の間に隠して自宅から連れてきた、洗剤の“いつもの香り”が日常を引き寄せてくれるから。体温で温められたタオルに包まれる幸福感を、私は「旅のご褒美」にしています。家を離れて暮らし始め、帰省した時にふと感じる実家の匂いと同じやつです。ほっとする感じ。日常では味わえないので、旅先で一度試してみてほしいです。

そして、触感。肌感覚がとにかく合うから。ふわふわな綿に触れていたい、いや、触れられていたい。「イケウチ・オーガニック」のタオルやタオルケットは、タグまで布なのも好みです。どこまでも気持ちがいい。

他人に触れられるとなぜか心地よかったり、逆に不快だったりしますよね。肌のふれあい(皮膚への刺激)が人の心理に作用し、触れるだけホルモンが分泌されて心身の苦痛を和らげることがあるというのは、科学的に研究されています。皮膚科学研究者である傳田光洋氏の著書で、「肌には脳で判断するのとはまた違う情報処理を行う機能が備わっている」と知り、以前納得したのを覚えています。「環境に接する境界」、すなわち「皮膚」にこそ情報やエネルギーを統御する機能が集中しているのが合理的だという生命観を感じられる、と言ったらかなり大げさですが、自分にとって肌に触れられて心地よいもの/悪いものについて、よかったら考えてみてください。何か法則が見つかるかもしれません。面白いですよ。

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この記事を書いた人

tutu.
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編集者。
(株)角川クロスメディアに勤務。その後、都内の編集プロダクションにてヨガやボディーワーク、旅の本などに携わる。関西生まれ、シンガポール在住の猫飼い。