メイド・イン・シンガポールの万能薬で「蚊」対策


関西生まれの編集者。ヨガやボディワーク、旅の本などに携わり、旅とヨガは似ているなと思う今日この頃。旅や転居、災害など日常と非日常の狭間で、自分を取り巻く〈内〉と〈外〉の環境を心地よくするために役立つアイテムを紹介する。今回は、蚊よけ対策です。

トラ印でお馴染みのシンガポール産の軟膏

タイガーバームは、シンガポールのハウ・パー・コーポレーションという企業が製造・販売している外用消炎鎮静剤で、アジアの家庭の常備薬として親しまれています。「Haw Par Villa(ハウパーヴィラ)」(旧タイガーバームガーデン)という珍名所もあります。

この薬、関西の里山にある私の実家の薬箱に当然のように入って、幼い頃からお世話になっていたので、メイド・イン・シンガポールの薬だと知った時は、驚きました。その後調べてみると、かつて日本では「龍角散」が輸入・販売代理店として、日本人向けにアレンジを加えて販売していたという経緯を知って納得でした。昭和の家庭に普及するわけです。

サイケデリックな包装に対して、中身は堅実。

「ハッカ油、ユーカリ油、チョウジ油などの植物由来の生薬成分が皮膚からすみやかに吸収されます」「肩こり、筋肉の疲れ、神経痛、リュウマチなどの痛みにも効果を表します」(ウェブサイト引用)

我が家では、肩こりの時と蚊に刺された後に、おまじないのように使っていました。塗った瞬間に広がるハッカ油の香りと清涼感がいい。スーッと冷たく感じさせて痛みや痒みをごまかすような“まやかし”ではなく、ちゃんと消炎鎮静効果を発揮してくれていたのですね。ありがとう、タイガー!

タイガーバームの蚊除けシリーズ

シンガポールのドラッグストアではトラのマークの蚊除けシリーズが販売されています。

エアゾールタイプとパッチタイプを見つけました。どちらも「NO DEET」(肌荒れや健康にも害があるというディートは使われていない)と記載があります。日本では見かけないので旅の土産にもよさそうです。

エアゾールタイプ(蚊除けスプレー)

主成分は、Eucalyptus Citriodora Oil(ユーカリレモンオイル)9%、Camphor(カンフル)
3%、Menthol(メンソール)1%

怖がることなかれ。タイガー印はバッチリ付いていますが、タイガーバームらしい清涼感のある香りはありません。代わりに、強烈なハーブの香りはします。蚊除け効果のあるレモンユーカリの香りです。天然成分でできているのに、“強さ”を感じられるところは、さすがタイガー。頼もしい限りです。

天然ハーブ成分にアレルギーがある人は注意が必要です。肌が弱い人やお子さんには、衣服に貼るタイプがいいかもしれません。

パッチ(蚊除けシール)

たかが虫刺されと思うことなかれ。シンガポールは国を挙げて蚊と闘っています。コンドミニアムの入り口には、こんな張り紙が掲示されていました。

蚊が媒介する感染症(デング熱)に対する注意喚起です。2022年は、年間の発生件数が過去最大を記録した2020年よりも早いペースで増加していて、例年よりも警戒を高めているそうです。

専門家によると、シンガポールでのデング熱流行は異常気象によるものだと言われています。他の国でも猛暑や雷雨が長引く傾向がると予想されていることを考えると、日本も対岸の火事と言っていられない状況かもしれません。

近年、日本では夏になるとデング熱の感染に関するニュースが流れています。その数はわずかですが、今から自分にあった対策を見つけておくとよいかもしれません。予防のためには蚊に刺されないことが有効です!

タイガーバーム

Haw Par Villa(シンガポールのサイト)

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この記事を書いた人

tutu.
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編集者。
(株)角川クロスメディアに勤務。その後、都内の編集プロダクションにてヨガやボディーワーク、旅の本などに携わる。関西生まれ、シンガポール在住の猫飼い。