伊織さんの伯母さんとこの朝ごはん
【料理人・守永江里の名もなき料理】


料理名がつけられておらず、ごく普通に家庭の食卓に並ぶ『名もなき料理』を研究しているのが、山口県出身の料理人・守永江里さん。今回は「伊織さんの伯母さんとこの朝ごはん」をご紹介。

非日常にはいつもの食材が手元にない。そんな時に、ありもののなかでどう料理するか。思考を柔らかくする料理記事です。

[名もなき料理とは]

 

伊織さんの伯母さんとこの朝ごはん

今年の梅雨は雨が少なかったなぁと思ったら、夏本番に雨がたくさん降ってくれました。我が家では、雨の量と比例して増える仕事が庭の草抜き。そしてぐんぐん伸びた雑草たちよりも生き生きとしているのが茗荷の葉です。地面をよく見ると、毎日新たな茗荷が土から顔を出しています。とれたての茗荷をしっかり洗って、酢の物に入れて爽やかな香りとシャキッとした食感を加えます。じめっとした夏の日にはこの薬味に救われるものです。

今年の夏も『伊織さんのしらすと茗荷の和えたん』を何度も作って食べました。作るたび、食べるたびに伊織さんは変わらずお元気かなぁ、会いたいなぁ、と思い出すので連絡してみました。そしたら、可愛い子犬ちゃんをお迎えしていたりといった変化が♪

また簡単でおいしい料理が知りたいです、というとすぐに「料理というほどでもないけれど、炊き立てごはんに、海苔の佃煮とアボカドのせて、レモン絞って食べるの知ってる?おいしいよ。」と教えてくれました。

“ 海苔の佃煮×アボカド ” の相性が良いと聞いたことはありますが、ご飯に乗せて、レモンを絞るのは初めて聞いたので、気になってすぐに作って食べてみました!アボカドが良く絡んだ海苔の佃煮はまったりとして、旨味をより濃く感じます。これがごはんにしっかり合う!さわやかなレモンの香りで、食欲のない朝にもサラッとおいしく食べられました。調理に火を使わないのも夏には嬉しいです。素麺を茹でるのさえ暑いので(笑)。とっても気に入って、我が家の朝ごはんの定番に加わりました。

このアボカド海苔ご飯は、伯母さんのおうちで召し上がったそうです。伯母さんはお茶会を企画して海外の方を接待されたり、長年老人介護施設の理事長をされていたりととても精力的な方だそうです。伊織さんからみた伯母さんは『前向きでいつも元気』。そして私からみた伊織さんもまさに『前向きでいつも元気』です^^ 周囲の人に元気を与えることのできる人に憧れます。

アボカド海苔ご飯を食べるたびに、伊織さんや伯母さまのように「今日も元気で前向きに過ごそう^^」と思い、軽やかな1日をスタートさせることができそうです。

 

『伊織さんの伯母さんとこの朝ごはん〜アボカド海苔ご飯~』の作り方

アボカドが余ったら、角切りにしてレモン絞って冷凍!伊織さんに保存方法まで教えていただきました♪
こうしておけばまた好きな時にきれいなアボカドが食べられます。

【 材料 】

・炊き立てごはん
・海苔の佃煮
・アボカド
・レモン

【 作り方 】
(1) アボカドは、乱切りか角切りにする。レモンはくし切りにする。
(2) お茶碗に炊き立てごはんをよそい、海苔の佃煮を敷く。①のアボカドを乗せ、レモンを絞っていただく。

 

『伊織さんの伯母さんとこの朝ごはん』を書き終えて

何百年も前からインカ帝国ではアボカドが食べられていたようです。日本で最初のブームが来たのは2000年ごろ。
海外では美味しく食べられているけれど、日本では流通していない食材がまだまだたくさんあると思うと、旅に出たくなります。

 

 次回は『作野さんの野菜の蒸し煮』をご紹介します

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この記事を書いた人

もりえり。
もりえり。料理人
鎌倉市在住の料理人です。『もりえり。』と呼ばれています。
数店舗の日本料理店で調理を学びましたが幼少期より母親に教えてもらった愛のある料理が学びの基盤です。

苦手なことは、言葉で想いを伝えること。
得意なことは、料理で想いを伝えること。

趣味は料理以外にフットサル、釣り、スケボー、寝ることです。