お茶会「野点」のスタイルを受け継ぐマグカップ「ノダテマグ」


アウトドアメディアを中心に活躍するフォトグラファー・野呂美帆さんが、普段の生活にも取り入れたいアウトドアアイテムを紹介。今回は、職人さんによってひとつひとつ手作業で作られた漆器の「ノダテマグ」です。


「もうこれひとつでいい」と思えた漆器のノダテマグ

気が付けばどんどん増えていくアウトドア用のマグカップ。軽量のチタンやガンガン使えるステンレス、雰囲気重視なホーローにダイネックスなどのポリプロピレン製のもの。山用に、キャンプ用に、もしかしたら家でも使えるかも!と揃えていたが結局使わないものはいつになっても使わない。

そんな中、最後に買ったのが漆器のノダテマグ。またマグカップを買ってしまった…と少し罪悪感はあったものの、使い始めると、もうこれひとつでいい!と思えるくらい気に入ってしまった。

ノダテマグは古来より続くお茶会「野点」のスタイルを受け継いだもの。湯飲みのようなフォルムに、漆が塗られた無垢の木がなんともいい色合い。渋すぎない和っぽさがあり、日本人なら誰でもほっこりするだろう。

職人さんによってひとつひとつ手作業で作られ、土に埋めれば自然に還る素材しか使っていないという所も気に入った要因のひとつ。

木や漆は軽くて丈夫。コーティングされた木は保温性に優れ、さらに漆には抗菌作用があるという。衛生面や、機能性。調べれば調べるほど、アウトドアにはもってこいの素材だった。

漆は高級品で繊細そう。初めの頃は大切に、慎重に、扱っていた。しかし割れても欠けても金継ぎしたり修理もできるということを知ってからはどこへでも持っていき、ガンガン使っている。少し使い込んで味わいが出たくらいがお似合いだと思えるようになってきた。

人も物もずっと長く付き合えるほうがいい。そんなひとつに出会えた気がする。

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この記事を書いた人

野呂 美帆
野呂 美帆フォトグラファー
旅、アウトドア、ライフスタイルを中心に幅広く活動。フィールドを気にせずシンプルで長く使えるものを慎重に選びたい。その一方で、旅先での衝動買いも嫌いじゃない。