半径1.8mのクリエイティブ vol.5
運動嫌いのボディメイク大作戦


これまで、女子(と呼んでいいものか)にはレアケースだと思うが、体重の増減に無自覚な人間だった。定期的かつ自動的に痩せる時期がやってきたからかもしれない。学生時代は運動部に所属していたので、比較的スリムだった。20代は仕事に明け暮れ、翌日までの企画100案の拷問やプレゼン時のストレスで全然太れなかった。30代で結婚し、3人の子の妊娠と授乳で、太ったり痩せたりを繰り返した。そして40代の今、痩せるきっかけが、ない。私のウエイトは過去最大級となっている。特にお腹がマズい。こどもたちは浮き輪のようにつかんでくる。コロナ禍のstay homeでさらに体重は増えた。鏡にうつった姿はまるでゾウのようだ(あるいはドラえもん)。痩せなければ。よーし!レッツ ボディメイクだ!

とは言っても運動嫌い(運動部だったのだが)な私。ジョギングや筋トレなどの地道でストイックなやり方は、きっと続かない。
そこで、トランポリンを買ってみることにした。こどもも喜びそうだし、楽しく運動できそうだからだ。ただ楽しいだけでなく、なかなか本格的な有酸素運動ができるので、アメリカの航空宇宙局NASAでも宇宙飛行士によるトレーニングとしてトランポリンが取り入れられているらしい。YOUTUBEのユーバウンド(トランポリン)エクササイズの動画を見ながらピョンピョン跳ねてみる。画面の中では、ユーロビートに合わせて、(多分)アルゼンチンのジムのお姉さんが盛り上げてくれてエキサイトしてくる。気づけば15分、汗びっしょりになった。楽しいじゃん!
これはいける、と思い、1週間ほどやったところ、猛烈な膝の痛みに襲われた。エクササイズ中はずっとジャンプしているので、膝に負担がかかったようだ。あーあ。

次に、雑誌などの良さそうなエクササイズぺージを切り取って壁の至るとこるに貼っていく&NHKの運動番組を片っ端から録画していく作戦だ。
一度はやってみる。がしかし、苦手な運動のために、日々改めて時間をとるのが難しい。よって、風になびいて落ちた張り紙がゴミ箱に捨てられていく。そしてハードディスクの容量がみるみると減っていくだけであった。

最後は、常に立ち続ける作戦だ。これは結婚した当初から割と実践している。以前勤めていたデザイン会社のSEの女の子と、仕事が終わって帰宅後の家事がめちゃくちゃ疲れる、一度座るともう立ち上がれない、という話をしていたときに「一度座ったらそこで終わり。家事は帰ってきた勢いでやれ」という名言をもらった。それからは家ではあまり座らないようにしている。さらに料理をしているときは、つま先立ちでふくらはぎを鍛えるようにしている。なので足は意外と筋肉質だと自負している。

でも、立っているだけではお腹は引っ込まないようだ。

ところで、子どもたちがスマートスピーカーで好きな音楽を流しながら、夜な夜な心のおもむくままにダンスを踊っていた。
そこで私もこれに便乗することにした。

というわけで、我が家では毎晩、子どもたちと小太りな母の奇妙なダンスが小粋に繰り広げられている。

この記事を書いた人

しまかもめ
しまかもめフリーライター
(株)大阪宣伝研究所にコピーライターとして勤務。その後、デザイナー、編集者、フリーペーパー営業、ネットショップ企画運営を経て、独立(コトバアトリエ)。神戸市在住の3児の母。