素焼き陶器でできた船に乗った「七福神さま」


日常に加えたい、ちょっといいもの。その“ちょっと”に気付けることで、有事の際にも心が豊かになれそう。

ライフスタイル、デザイン、ファッションの世界で、ブランドやプロジェクトを作る人の想いをまとめる、伝える。フリーランスPRのキム サンエさんが、日々の生活に加えたいちょっとうれしくなるもの・ことをご紹介。

(墨田区観光協会HPより)

ちょうど3年前、務めていた会社を辞めて独立しようと決めた年のはじめ。それまで濃密な時間を過ごしてきた職場の上司と後輩と共に、隅田川七福神めぐりに出かけました。独立に向けて様々なことが毎日起こって、不安と期待が入り混じって、なんだか夢の中にいるような日々。慌ただしい年末を超えて、すっきりと晴れたお正月に、節目を迎える年の始まりの、とても楽しく印象的な1日を過ごしました。

隅田川七福神めぐりは、墨田・東向島・向島の7カ所に点在する神社やお寺をお参りしながら、宝船に乗せる七福神さまのご分体や、御朱印を集めてゆくお正月の行楽行事です。江戸時代に付近の文化人たちが考案し、200年の歴史があるそうです。

浅草に住む上司からの誘いで出かけたのは、ご分体を集めて完成する宝船が気に入ってしまったから。白い素焼きの陶器でできた船に、小さな七福神さまを乗せていくのですが、その姿がなんとも愛らしいのです。

隅田川周辺でお正月といえば、やはりにぎやかな浅草寺を思い浮かべますが、街歩きをしながらめぐるこのコースは、ゆるやかな空気感でのんびりと楽しめて、普段とは違うお正月を過ごせました。

(墨田区観光協会HPより)

気持ちの良いお正月の一日、途中のお茶屋さんでお饅頭をいただいて、のんびりとめぐり終わった後には、浅草のホッピー通りで新年会。たらふく食べて飲んで、ほくほくと幸せな気持ちで家路につきました。

そして翌日、集めたご分体を船に乗せていくのも楽しみのひとつ。神さまの並べ方は自由で、自分にとって大切にしたいご利益の順にすると良いそう。大黒天、毘沙門天、恵比寿天……などなど、聞いたことはあっても、詳しくは知らなかったそれぞれのご利益を調べて、自分だけの宝船を完成させました。わたしは自宅に神棚がないので、家の中心に向かうように、少しだけ高さのある場所に飾っています。白い船のすっきりとした佇まいがインテリアにも馴染んでいるようで、そんなところもお気に入りです。可愛らしい神さまたちに見守られて、それからの日々が上向きになったような。

今年も1月1日から7日までの7日間、感染症対策を行いながら開催された模様です。今年間に合わなかった方も、お正月の楽しみ方のひとつとして、ぜひ来年以降お出かけしてみてください。隅田川沿いで楽しむのんびりと晴れやかなお正月、おすすめです。

隅田川七福神めぐり

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この記事を書いた人

金祥艾
金祥艾フリーランス PR / Project Manager
ライフスタイル、デザイン、ファッションの世界で、ブランドやプロジェクトを作る人の想いをまとめる、伝えるためのお手伝いをしています。連載では、日々の生活にあると、ちょっとうれしくなるものやことをご紹介していきます。